校長あいさつ

学校教育目標の実現に向けて

上海日本人学校高等部 校長    玉野井敬治 

  上海日本人学校高等部は、世界89の国と地域にある日本人学校の中で唯一の高等部です。2011年4月に開校し、今春で6年目を迎えました。

  設立された背景には、子どもが高校入学時の年齢に達する前になると帯同家族は帰国せざるを得ず、駐在員が相次ぎ単身赴任を余儀なくされるということがありました。この事態を憂慮した在上海日本国総領事館、2,000社以上の日系企業が加盟する上海日本商工クラブが中心となって、設立準備をはじめたのです。

  上海の地で家族が一緒に暮らせ、安心して働ける環境を整備し、日本のカリキュラムと同様の後期中等教育を提供することを目的とし、約10万人が在住する邦人社会の要望に応えるために、本校が設立されたわけです。

  日本人学校である以上、在留邦人のための学校であるとともに、教育効果や進学実績を上げ、上海という国際都市における立地条件を生かした国際性豊かな人材を育成することも求められています。本校は『志を高くして自ら学ぶ国際人を育成する』を学校教育目標に掲げ、これらを実現するため教育課程を多様化し、以下のような教育実践を行っております。

  本校は3学年120名の生徒が在籍しております。学力差に応じた授業を行うため、各教科は一学年約40名を能力別に2~5に分け、少人数で個に応じたきめ細かな指導体制をとっております。

  また国際人育成のため、英語の習得単位を増やし、中国語は2単位を必修科目とし、2年生修了時までに中国国内理系大学就学のために必要な条件であるHSK4級以上の習得を目指し、約半数以上の生徒が4級以上に合格しております。

  さらに本校独自の「探究」の授業では、一人ひとりが個別にテーマを設け一年間をかけて調査研究を行い、プレゼンテーションと論文提出(1年次は日本語12,000字、2年次は英語4,000単語以上もしくは中国語3,000漢字以上)を課しています。

  現地校との交流も盛んに行われ、夏には少数民族が住む雲南省の昆明女子中学と異文化交流、秋の文化祭「秋日祭」では平和双語学校と共同開催、国際部のある地元校やインターナショナルスクールとはスポーツ交流戦を行っています。

  このように日本の高校では体験できない国際理解、多文化共生教育にも力を注いでおり、生徒は習得した中国語、英語を駆使しながらコミュニケーションを図っております。

  本校の強みとして、開校時より特別推薦枠を設けて入学を受け入れてくれている協力大学があります。協力大学は関西学院大学、芝浦工業大学、上智大学、中央大学、中京大学、東京理科大学、同志社大学、南山大学、日本体育大学、法政大学、立教大学(50音順)の11大学におよび、多くの推薦枠をいただいております。

  協力大学以外の大学にも学習院大学、早稲田大学などに推薦枠があり、国公立大学にも毎年数名進学しております。またアメリカや中国の大学を目指すものもおり、国際色豊かな進路先となっております。

  協力大学は推薦枠だけでなく、本校の特色の一つである「特別企画」における講演者の派遣等の支援もいただいております。特別企画はこのほかに、上海および日本国内の第一線で活躍されている企業人、著名人、研究者などに講演を依頼しており、本校生徒に幅広い教養を身につけさせるために、年に3~4回実施されます。

  また、昨年度より学年末には在上海日本国総領事よりご講話をいただいており、外交官の仕事や現状の日中関係など生きた政治・経済の話が聞けるのも本校ならではの特色です。

  本校には、このように日本国内の高等学校にはない様々な特色があり、総領事館、商工クラブ、PTA、協力大学等々の支援もいただいております。小規模校であるがゆえに、教師と生徒や生徒同士の間の風通しがよく、アットホームで居心地のいい学校です。

  全教職員の協働体制により、ますます進化・発展する学校に邁進していきたいと思っております。

  今後ともご支援ご協力をいただきますよう重ねてお願い申し上げます。


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